カタルーニャGPに挑むマルケスの複雑な心境

ホームタウンに近いカタルーニャでのGPを迎えるマルク・マルケスは、コースへの苦手意識を隠さず、それでも高いモチベーションを持って週末に挑む姿勢を見せている。過去には家族での勝利や悲劇も経験した特別な場所であり、今回はアレックスやペッコ、さらにはアプリリア勢の強さも意識しつつ、少しの不安も滲ませた。ファクトリーDucatiの戦闘力を信じ、ヘルメットにはバルセロナの歴史と現代アートを融合させたデザインを施し、記録とタイトルの両方を追う戦いが始まる。

苦手意識とモチベーションの狭間で

「このトラックはあまり得意ではないので、週末を通じてレベルを高めていきたいと思っています。カレンダー上は最悪のトラックですが、ホームGPですのでモチベーションは高いです。可能な限りポイントを獲得したいですね。もしかすると優勝記録が止まるかもしれませんが、アレックス、ペッコもここでは強いライダーです。ただアプリリアもここではスピードあったので、どうなるかわかりませんね。」

ファクトリーDucatiへの信頼

「Ducatiのファクトリーバイクをテストする前から、このファクトリーチームがチャンピオンシップを戦える場所だと思っていましたし、テストの時点でもGP23とGP25の大きな違いを感じました。ストレートも速かったですし、チームの作業も最高です。」

ヘルメットに込めたバルセロナへの想い

「今週末のヘルメットはバルセロナがテーマです。歴史がある街ですので、ヘルメットにはそうした古いタイルの模様を入れています。また新しい街という側面では多くのアーティストがいるグラフィティーをイメージした模様を入れています。」

タイトル争いと理想の展開

「タイトル獲得チャンスは早いほうがいいですが、ミサノでタイトルを獲得チャンスとなることは、アレックスが苦戦するということですから、日本かインドネシアでタイトルチャンスが訪れることが理想的だと思いますね。」

若手ライダーへの思いとMotoGPの現実

「マヌエルがMotoGPにステップアップ出来なかったのはある意味そうしたチャンスが減っているとも言えますし、多くの才能あるライダーがいるからとも言えます。もちろん彼が、才能がないというわけではなく、現時点に関してはスポットがなかったということもあります。2027年に参戦するという可能性があればピレリタイヤでスタートできるわけですから、そういう意味ではポジティブだと言えるでしょう。」

特別な記憶と忘れられない悲劇

「このサーキットでは2014年がベストの記憶です。自分がMotoGPで、弟がMoto3で優勝しました。何年かは忘れましたが、転倒が多かった年もありましたが、ルイス・サロムを失った2016年が最悪の年でしたね。」

昨年の復活と今年の目標

「昨年はバイクの乗り方、MotoGPの乗り方、レースの楽しみ方を思い出す1年でしたから、優勝は大きなことでした。今年はタイトルを獲得することが目標ですから、優勝に関しての捉え方はもちろん異なります。」

苦手意識の根底にある理由

「ここは自分のホームタウンにも近いですが、なぜかあまり好きなトラックではありません。天候が良いのでバレンシア、ヘレスなどに引っ越したことも多かったですしね。怪我をして以降は、特にこのトラックはより苦戦するように感じています。」