ヤマハ発動機とプリマ・プラマック・ヤマハMotoGPは、ジャック・ミラーとの契約更新を発表した。これにより2026年のチーム体制が確定し、ミラーはスーパーバイク世界選手権2度の王者でMotoGP初挑戦となるトプラック・ラズガットリオグルとチームを組む。ミラーは2018年から2020年にかけてプラマック・レーシングに所属しており、今季はヤマハ陣営での復帰初年度となった。YZR-M1の開発作業に大きく貢献し、ここまでのベストリザルトはアメリカズGP(オースティン)での5位となっている。

なお、V4エンジンの開発を進めるヤマハにとってはファクトリーライダーのファビオ・クアルタラロ、アレックス・リンス共にV型4気筒のMotoGPバイクの経験がゼロであるため、MotoGPデビューをホンダV4、その後Ducati、KTMとV4エンジンを経験してきたジャック・ミラーの経験は、ヤマハにとっては手放すにはあまりにも惜しい経験値だと言える。

ジャック・ミラー

「ヤマハとプリマ・プラマック・ヤマハMotoGPチームに残れることを本当にうれしく思います。今年は自分にとって素晴らしいプラマック復帰のシーズンになりました。ヤマハとともにマシンを開発し、他メーカーとの差を縮めるために全力を尽くすつもりです。まだ最高の結果はこれからだと信じています。何より、ヤマハ、プラマック・レーシング、そしてパオロ・パヴェジオとパオロ・カンピノーティに、自分を信じてプロジェクトを託してくれたことに心から感謝しています。」

パオロ・カンピノーティ(チーム代表)

「ジャックに対して特別な愛着を抱いていることは周知の事実です。彼はプラマック・レーシングでキャリアの重要な成長期を過ごし、今季の復帰はチーム全員にとって大きな喜びでした。人間的な部分だけでなく、ヤマハのYZR-M1開発を支えるうえでの彼の貢献は非常に大きいです。2026年も正式なヤマハライダーとして継続することは重要であり、価値ある決断です。一方で、チーム運営には時に難しい選択も伴います。この場を借りて、数か月間にわたって見せてくれたミゲルの献身とプロ意識に心から感謝したいです。彼は素晴らしいプロフェッショナルであるだけでなく、すばらしい人物でもあると知ることができました。」

ジーノ・ボルソイ(チームディレクター)

「ジャックが来季もチームに残ることを非常にうれしく思います。長い時間をともに過ごしたことで互いをより深く理解し、必要なことも把握できました。2年という期間はチームとしてすべてを最適化するのに理想的であり、すでに2026年に向けて準備を進めています。同時に、シーズンを通じて大きな努力をしてくれたミゲルにも感謝したいです。開幕直後のケガによって本来の才能を示す機会を奪われたのは残念ですが、我々が続けている開発作業によって、残りのレースで真の力を発揮してくれることを願っています。」