★ブレンボ ラジアルマスターシリンダーの歴史を解説

連休中の読み物には丁度よいブレンボのラジアルマスターシリンダーの歴史に関する記事をお届けします。システムとして初めて使用されたのが1986年であったというのは管理人も知りませんでした。

ブレーキングパフォーマンスを著しく向上させるラジアルマスターシリンダーの、驚くほどのレスポンスの素早さの秘密

1985年に、ブレンボはその後のブレーキングシステムに革命をもたらすことになる「ラジアルマスターシリンダー」に関するパテントを登録します。

このアイディアが最初に形にされたのはレースの世界でした。レースの世界ではブレーキングシステムのスペースが限られており、これがさらにコンパクトなブレーキングシステムに関する解決策の探求を加速します。この新たなコンセプトはライダーのエルゴノミクスを著しく改善し、ブレーキングシステム全体の大きさを縮小しながらブレーキレバーを握るライダーの動作はより効率的になりました。

この新たな解決策が従来と異なったのは、ライダーの手からピストンへの力の伝わり方がダイレクトになり、力の入る方向が同一方向になったということでした。様々な部品を経由することによるフリクションのロスがなくなったのです。

Sponsored Link

ラジアルデザインはピストン軸とレバーを引く方向が平行であり、ピストン軸がハンドルバーに対して垂直になっています。このアプローチにおけるいくつもの利点の中の1つは、ブレーキングパフォーマンスを向上させるために、ブレーキマスターシリンダーの油圧、メカニカルレシオを最適化する設計が可能だということです。


1986年にラジアルマスターシリンダーは既にレーストラックで使用されており、これを最初に装着したのは有名なGPレーサーであるエディ・ローソンのヤマハYZR OWで、彼は同年に500ccチャンピオンシップで優勝しています。ローソンは新たなブレーキシステムの並外れたリニアさに感銘を受け、これによってブレンボがこのシステムが持っていたいくつかの短所を改善すべく開発を続ける事を後押しすることとなりました。


1988年に当初のコンセプトを進化させた2つのシステムがパテント登録されましたが、これは我々が現在目にしているラジアルマスターシリンダーとほとんど同じものです。それから14年後となる2002年になって、ラジアルマスターシリンダーは市販のモーターサイクル(Aprilia RSV1000)に初めて装備されます。

2007年にブレンボは新たに革命的な技術を採用した19RCSブレンボブレーキマスターシリンダーを発表します。このラジアルマスターシリンダーはまたしても別の世界に先に投入されます。このシステムはブレンボによってパテント登録され、MotoGPに初めて導入されたのです。このシステムは革命的な調整機構をそなえており、最もマスターシリンダーのパフォーマンスへの要求が高いライダー達の特殊な状況の中でのニーズを満たしました。


そしてそれ以降は、ライダーにとっての選択肢はレーシング製品、ロードゴーイング用の2つに絞られています。ほぼ圧倒的に舗装路面でのブレーキの使用が多いライダーは、19 x 20ロードゴーイングマスターシリンダーを選択します。これはよりソフトで革新的なブレーキングアクション、スムーズなレスポンスを、理想的ではない路面状況でも発揮します。

レーストラックの中で100分の1秒を削ることに喜びを感じるライダーには、19 x 18レーシングマスターシリンダーが最適です。これはライダーがレバーに触れた瞬間から強力なブレーキングパワーを発揮します。ガイドラインとして19 x18のマスターシリンダーは、ピストン直径が32/36、34/34そして30/34の4ポッドキャリパーピストンに、19 x20のマスターシリンダーはその他のキャリパーに合うでしょう。

ブレンボはこの2つの表面的には全く違うように思われる世界のブレーキに1つの製品で対応しており、ライダーはこの2つの世界観を単にドライバーで1回しするだけ行き来できるのです。

19RCSブレンボラジアルブレーキマスターシリンダーに搭載されるRCS(レシオクリックシステム)はマスターシリンダーの基本的な性格を変えることで、システムに先例のない可能性を与えています。これによってライダーは個人の好みにバイクのフィーリングを完璧に合わせる事が出来るのです。このシステムはライダーがブレーキレバーを引いた時の効き具合を調整することを可能としており、これによってブレーキングシステムの性格を状況に合わせて変更することが可能となります。これはドライ、ウェット路面、路面のグリップの度合い、そしてライディングスタイルにすら合わせる事が可能なのです。


19mmのマスターシリンダーはダブルディスクブレーキを搭載するいかなるモーターサイクルにも搭載が可能で、2つの異なるブレーキマスターシリンダーからの選択が可能です。19 x18mmユニットはよりコントローラブルなブレーキングパワーを、僅かに長くなったレバーのトラベル量と引き換えに提供。19 x20mmユニットはライダーによりストリートバイクとしてのレバーフィーリングを与えます。

2つのラジアルマスターシリンダーが1つに収まった革命的なシステムは、ライダーがこの2つのセットアップを僅か数秒で切り替えることを可能とします。支点からピストンの距離を18mmか20mmに選ぶのは、単にガイドレバーの先頭についた調整ネジを180度ドライバーで回すだけです。このシステムはカム(18mmにセットした際はレッド、20mmの際はブラック)を使用しており、これが支点とマスターシリンダーのプッシュロッドのコンタクトポイントとの距離を2mm変更するのです。なお、この変更を行ってもブレーキングフォースの伝達に関してシステムのパフォーマンスには影響しません。

ブレンボの19RCSは、モーターサイクルエンスージアストにとっての新たなベンチマークになることを運命づけられた、完全新型となるブレンボ 19RCS CORSA CORTAブレーキマスターシリンダーに新たに加わります。

(Photo courtesy of brembo)

この記事が約に立ったら
「いいね!」お願いします!

Twitter で
Sponsored Link