ファビオ・クアルタラロが新しいミシュランタイヤを使用して初優勝

スペインGPにおいてミシュランが新しい構造のリアタイヤを公開、新しいオールタイムラップレコードをファビオ・クアルタラロが記録。さらにレースにおいて初優勝を飾りました。

2020年のMotoGP世界選手権は世界的なCOVID-19のパンデミックによって保留されていましたが、ドルナ、FIM、IRTA、スペイン地方政府の多大な努力により、ヘレスにおいて開幕戦を迎えることが出来ました。

レースは無観客の形で行われ、レースを進めるためのプロトコルが導入されました。多くの人にとってショーのスターと言えるレースは世界中で放映されました。
MotoGP2020ミシュラン スペインGP決勝レースレビュー
週末は厳しい暑さとなり、レース開催日のトラック温度は53℃にまで達しました。これはミシュランが2016年にMotoGPに復帰して以来最も高い路面温度で開催されたレースとなりました。今までのトラック温度の最高記録は、2017年のカタルーニャで記録された54℃です。

通常5月に開催されるヘレスにおけるレースにおいて、ミシュランの技術者が正しいタイヤの割当を行う必要があったと言えます。ヘレスの気温はミシュラン・パワースリックにとっても試練となる環境でしたが、ミシュランタイヤはこの熱に対応しました。
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ファビオ・クアルタラロは週末を通じて素晴らしい走行を披露。土曜朝に既存のラップレコードを破り、予選ではそれをさらに破る1分36秒705でポールポジションを獲得。ファビオ・クアルタラロはこのラップタイムをハードハードフロントスリックとソフトリアを使用して記録しました。

このタイヤの組み合わせは、25周の決勝レースでほとんどのライダーが好んだ構成でした。このタイヤ構成はシングルラップ、長く厳しいコンディションのレースでの一貫性、パフォーマンス、グリップを提供するものです。
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ファビオ・クアルタラロは素晴らしいスタートを切りましたが、マーべリック・ビニャーレスがホールショットを獲得。マルク・マルケスがその後マーべリック・ビニャーレスを追い抜きます。マルク・マルケスは後続を引き離しますが、ミスによってグラベルに進入。なんとか転倒をセーブするもののレースに最後尾で復帰。

マルク・マルケスはミシュラン・パワー・スリックタイヤの圧倒的なグリップを最大限に活用し、2位争いに復帰。しかし転倒によってそのチャンスを失いました。ファビオ・クアルタラロは9周目にトップに立った後、スムーズなライディングを最後まで続け、後続とのギャップを広げて優勝しました。

表彰台争いではマーべリック・ビニャーレスが2位となり、ドヴィツィオーゾが3位を獲得。ドヴィツィオーゾは今週末に最高速度296.7Kmを記録し、ミシュランにとっても新記録を樹立しています。4位はジャック・ミラー(プラマックレーシング)、5位はフランコ・モルビデッリ(ペトロナス・ヤマハ・SRT)、 6位はポル・エスパルガロ(Red Bull KTMファクトリーレーシング)で、次にフランセスコ・バグナイア(プラマックレーシング)が続きました。ミゲル・オリベイラ(Red Bull KTM Tech 3)は8位、9位はダニーロ・ペトルッチ(ドゥカティチーム)に、中上 貴晶(LCRホンダ)がトップ10にランクインしています。

ミシュランとMotoGPパドックは、来週もヘレスに残り、7月26日(日)に開催されるアンダルシアGPに挑みます。
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グラナドが新しいミシュランタイヤを使用して初優勝

ミシュランは、今週末のイベントで新しいミシュランスリックMotoEタイヤの活躍を見届けました。MotoEワールドカップの開幕戦において、エリック・グラナド(Avintia Esponsoramaレーシング)は、序盤からレースをコントロール、新しいタイヤの可能性を最大限に引き出しながら優勝をしています。

土曜日のEポールでポールポジションを獲得した後、グラナドはレースをリード。この新しいタイヤは、より効率的で環境負荷の低いバイオマテリアル、再生材料を使用しています。残りの表彰台は昨年優勝者マッテオ・フェラーリ、ドミニク・エガーターが獲得しました。

MotoE用のミシュランタイヤは、100%電動のEnergica Ego Corsaモーターサイクルのレースように専用設計されたもので、サーキットを焼き尽くすような灼熱の環境でしっかりと機能しました。今回のレースで多くのデータが収集され、次回のレースに活用されます。

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ファビオ・クアルタラロ

「スタートを失敗したので難しいレースになりましたが、なんとかフロントに立つことが出来最高の気分でした。初優勝はとても嬉しかったですし、タイヤも良い感触でした。予選ラップで使用したタイヤは素晴らしいグリップでしたし、次の土曜の予選も楽しみですね。」

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エリック・グラナド

「バイクのセットアップに多くの時間を使いました。最初は理解に苦戦しましたが、何らかの変更がある際はバイクをしっかりとセットアップ擦る必要があります。今回はタイヤからのフィーリングが良くて、フロントをしっかりとプッシュ出来ます。トゥロビッチを追い抜いた後にプッシュを続けることが出来ました。バイク、タイヤは完璧ですべてが順調でした。この後はしっかりと体を休め、次回も良いパフォーマンスを発揮出来るようにしたいですね。」

2輪モータースポーツグループ・マネージャー:ピエロ・タラマッソ

「今日のレースでは、すべてのライダーがソフトリアを使用しました。フロントにソフトを選択したんは2名(バレンティーノ・ロッシ、マーべリック・ビニャーレス)のみで、残りのライダー達はすべてフロントにハードタイヤを使用しています。ソフトリアは今回デビューとなった新しい構造で、皆に最高のパフォーマンスを発揮しました。」

「50℃以上の路面温度にも関わらず、このコンディションを予想した構造としていたため、ハードタイヤの必要はありませんでした。ソフトタイヤはレース全体で素晴らしいグリップを発揮していました。通常は5月にレースを行い、11月にテストを来ないますので、今週のヘレスでのレースはタイヤ選択が非常に難しかったんです。コンピュータシミュレーションと以前のデータを使用して、最適なタイヤ選択を行った技術者に敬意を表したいと思います。」

「今週末、過去最速のラップレコードを破り、最高速を記録できたことは素晴らしいことでした。これらの結果は、ミシュランの懸命な作業に報いる結果と言えるでしょう。これからさらに優勝を重ねるであろうファビオ・クアルタラロの初優勝を祝福したいと思います。彼は予選でスーパーラップを記録、タイヤの1ラップでのスピードを証明した後、彼自身の成熟度合いを見せつける素晴らしいレース運びで優勝を果たしました。」

「MotoEのレースではエリック・グラナドが新しいタイヤを使用。フロントをプッシュすることがどれほど難しいかを示しました。MotoEの最新タイヤは持続可能な素材を使用し、新しいコンパウンド、リア構造を導入しました。特に午後のトラック温度が上がってからのパフォーマンスは印象的でしたね。」

「 MotoEはミシュランの重要なレースであり、こうやってシーズンをスタート出来たことは素晴らしい瞬間でした。収集した情報を活用し、シーズンが進むにつれてさらにエキサイティングなレースを楽しみにしています。」
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(Source: michelin)

(Photo courtesy of michelin)