ベンスナイダーが土曜予選Q2、14番グリッドを獲得 ビェシェキルスキは10列目から決勝レースへ

第13戦ヨーロッパGP、土曜日の走行は、昨日同様に難しいコンディションに翻弄される一日となりました。午後の予選で、NTS RW Racing GPのボ・ベンスナイダーは、Q1をウェットタイヤで走行して4番手タイムを記録し、Q2への進出権を勝ち取りました。そのQ2はドライコンディション用のスリックタイヤで臨み、14番手タイム。明日の決勝レースに向けて、5列目からのスタート位置を獲得しました。

チームメイトのピオトル・ビェシェキルスキは、28番グリッドから決勝レースに臨みます。午前のFP3は、上空を厚い雲が覆い、湿った路面の走行ラインが少しずつ乾いてゆくという微妙で難しいコンディションでした。午後は天候が回復するという気象情報だったために多くの選手たちが走行を見合わせ、ベンスナイダーも4周を走っただけでこのセッションを切り上げました。ビェシェキルスキは30分ほど様子を見た後、後半になってイチかバチか、スリックタイヤでコースへ出て1分47秒123を記録。これが、セッション3番手という素晴らしいタイムになりました。

午後の予選Q1でこのタイムをふたたびマークすることができれば、充分にQ2へ進出できるはずでしたが、ここで記録した1分50秒628ではQ2進出には充分ではありませんでした。Moto3クラス予選の際に降った雨の影響で濡れた路面は、Moto2クラスの予選時刻には少しずつ走行ラインが乾いてきましたが、ベンスナイダーはこの難しい状況にうまく対応して1分46秒590をマークしました。これがQ1の4番手タイムとなり、無事にQ2への進出を果たしたベンスナイダーは、さらに乾いてゆく路面のコンディションに適したスリックタイヤでこのセッションを走行しました。

Q1の時よりも4秒近く速い1分42秒662という充実した内容のタイムで、一時は6番手につけていましたが、最終的には14番手で落ち着くことになりました。ベンスナイダーはポールポジションからは3.726秒差でしたが、これはセッション中の路面コンディション変化が大きく影響しています。上位6名は0.5秒差に収まっているものの、7番手タイムの選手はそこから0.8秒の差があり、このQ2最後尾の18番手はポールタイムから5秒以上も離れているという事実に、このセッションの難しさが良くあらわれているといえるでしょう。

第13戦ヨーロッパGP決勝レースは、現地時間日曜午後12時20分(日本時間午後8時20分)にスタート。全25周で争われます。

ボ・ベンスナイダー選手(ゼッケン64)

(予選14番手:1分42秒662)
「今日の予選はとても難しく、奇妙なセッションだったよ。Q1では、ぼくたちはかなり後ろの順位を覚悟していたら、うまくタイムを上げて4番手になり、Q2に進出できた。Q1では路面がまだかなり濡れていたのでウェットタイヤを装着して走行したのだけど、Q2はスリックで行けるくらいに乾いていた。それでもあちらこちらにウェットパッチが残っていて、けっして気持ちよく走れる状態ではなかったんだ。この状況を考えれば、14番手というタイムはまずまずといっていいだろうね。さて、問題は明日、果たしてどうなるかだね。天気予報では晴れという情報だけど、じつは昨日も、今日の天気は良くなるという話だったんだよね。今回はドライでほとんど走れていないので、明日が晴れになるのなら、午前のウォームアップがとても重要なセッションになることは間違いないね」

ピオトル・ビェシェキルスキ選手(ゼッケン74)

(予選30番手:1分50秒628)
「今朝のFP3では、路面が乾いていく難しいコンディションのなかでもスリックタイヤで気持ちよく走れて、3番手タイムを記録できました。でも、予選では同じように走ることができませんでした。路面のかなりの部分は乾いていたのですが、8コーナーや12コーナー、13コーナーなどは特に、スリックでは走れないほど濡れていました。」

「予選の走り出しは良かったのですが、最初から攻めすぎたせいで、コーナーでのグリップ不足に苦しむことになってしまいました。これについては、今後しっかりと解決していきたいと思います。全力で走っているときにイエローフラッグが提示され、ラップタイムがキャンセルされてしまったのですが、このときのタイムが有効だったとしても、リザルトにはあまり違いはなかったかもしれません。今週はここまでの二日間がとても難しいコンディションでしたが、明日はドライコンディションになるという話なので、またゼロからのスタートになります。もちろん一所懸命に走って、全力を尽くすつもりです」