シーズン第6戦イタリアGPが、トスカーナ地方山間部のムジェロサーキットで開催されています。オランダにチームの本拠を置き、日本製シャシーのNTSマシンで戦う NTS RW RACING は、難易度の高さに定評のある当地で厳しい洗礼を受けつつも、今後の戦いに向けて貴重な経験を積み重ねました。

自然の地形を活かした高低差と左右へリズミカルに切り返す区間が続くこのサーキットは、イタリアのレースファンたちの熱烈な応援がいっそうその雰囲気を強く盛り上げます。NTS陣営のMoto2クラスライダー、スティーヴン・オデンダールとジョー・ロバーツは、午前のFP3と午後の予選各45分間のセッションタイムを最大限に活用し、5245mのコースを旺盛に走りこみました。予選を終えた両選手の順位は、オデンダールが9列目25番グリッド、ロバーツが10列目28番グリッド、という結果でした。全21周で争われる明日の決勝レースは、午後12時20分(日本時間午後7時20分)に戦いの火蓋を切って落とします。

スティーヴン・オデンダール

(予選25位1分52秒842)
「1分52秒台という目標には到達したけれども、納得できる予選結果にはならなかった。とはいえ、上位陣と僕たちのタイムは接近しているし、明日の決勝は大集団での争いになると思うので、いいリザルトを目指すチャンスは充分にありそうだ。その意味では、この週末はまずまずのパフォーマンスを発揮できている、といえるかもしれないね。だから、明日午前のウォームアップではさらに微調整を施して、決勝に向けて充分な準備を進めたい。いつもがんばってくれるチームのためにも、明日は全力を振り絞って戦うよ」

ジョー・ロバーツ

(予選28位1分53秒562)
「この週末は、正直なところ苦戦を強いられていて、今日の予選も満足とはほど遠いリザルトになってしまった。午後の予選は、多くの選手がスリップストリームの使いあいを狙ってタイミングを待つ展開で、まるでMoto3みたいだった。僕としては、この渋滞のおかげで思いどおりのタイムアタックをできなかった、というのが素直な感想だ。何人もの選手たちがコース上でゆっくり走りながら位置取りを探すような状況は、あまり安全とはいえないよ。それでも最終ラップには、すでに消耗しきっているタイヤでも全力でプッシュして自己ベストタイムを記録したんだ。明日の決勝は、スタートを上手く決めて序盤に何人かを一気にオーバーテイクし、いいレース展開に持ち込んでみせるよ」

ヤルノ・ヤンセン(チームマネージャー)

「ムジェロサーキットが屈指の難易度であることは織り込み済みでしたが、今日の予選は我々NTS勢にとって厳しい内容になりました。ポールポジションから20番手までが1秒以内にひしめく結果になる、非常に緊密なセッションでした。タイヤとバイク、そしてコースへの習熟が完璧に仕上がっていないと、この僅差の中に食い込むのは難しいでしょう。我々のライダーたちは、経験とデータが豊富なライバル陣営に比べると苦戦を強いられており、明日は後方グリッドからのスタートになります。スタート位置は不利な状況ですが、スティーヴンとジョーは闘志を発揮してNTSシャシーの特性を引き出し、ポイント圏内を争う戦いをきっとしてくれるでしょう。このコースはメインストレートが1100mもあるので、過去のレースが示しているとおり、明日はスリップストリームを利用し合う激しいバトルになることは間違いなさそうです」

(Photo courtesy of NTS)

<NTS プレスリリース>