★MotoGP 2017ドイツGPのブレーキングをブレンボが徹底解説

ブレンボのドイツGPのブレーキングに関する解説をいただきましたのでご紹介させていただきます。MotoGPカレンダーの中でも最短のサーキットであるため、ブレーキシステムが冷却にかけられる時間も短いということです。

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ザクセンリンクで6連勝目を狙うマルケス―ビニャーレス、ロッシ、ドヴィツィオーゾ、そしてペドロサとの争いで注意すべきは、第1ベンドのブレーキング

6月30日~7月2日にザクセンリンクで開催されるドイツGPは今シーズンのMotoGPの折り返し点となります。2週間前、このサーキットはADACザクセンリンククラシックを開催し、サーキット創業90周年を祝いました。ブレンボのブレーキがトップカテゴリーのレースで初めて勝利を収めたのは、1978年のドイツ、ニュルブルクリンクでした。この時の優勝者はヴァージニオ・フェラーリ(スズキ)で、2位のジョニー・チェコットとの差はわずかに0.7秒でした。

ザクセンリンクは4 km を切るMotoGPでは唯一のサーキットです。ところがその短さに反して、ベンドは13箇所あり、その内の10箇所は左ターンです。また、直線路は非常に短く構成されていて、フィニッシュライン直前の最も長いストレートでも800 mに届きません。

レーストラックが曲がりくねった形状の場合、ブレーキングは総じて緩やかなものとなります。実際のところ、ザクセンリンクにある7箇所のブレーキポイントのうち、3箇所は2秒未満のブレーキングとなるほか、もう1箇所では2秒は超えるものの、それでもわずか2.2秒間のブレーキングポイントとなっています。しかしその一方で、1つのベンドから次のカーブへ到達するまでの距離が短いということは、ブレーキシステムに十分な冷却時間を確保できないことを意味しており、高温による不具合の発生リスクが高まるため、この点では注意が必要です。2015年大会ではレース中のアスファルト温度が42 ℃にまで達しました。

2017年MotoGPで全パイロットのサポートを担当しているブレンボの整備チームによれば、ザクセンリンクのブレーキングに関する難易度は「やや難」程度であるとのことです。1~5の格付けでいくと同サーキットのランクは「3」となり、これは夏季のランキングとしてはTTサーキット・アッセンに次ぐ2番目の低さです。

レース中のブレーキングシステムへの負荷

1ラップ内でMotoGPのライダーがブレーキを使用するのは7回。ライダーがブレーキングポイントを通過するのはレース全体で210回という計算になります。ラップあたりのブレーキ使用時間は19秒。これは選手権大会としては非常に短い記録で、わずか6箇所のベンドしかないフィリップアイランドの20秒を更に下回っています。減速度が1 gを超えるポイントが1箇所しかないオーストラリアのトラック(フィリップアイランド)とは異なり、ザクセンリンクには1.4 gを超えるブレーキポイントが少なくとも4箇所あります。しかし、そのほか3箇所のポイントの減速度が0.6 gや0.7 gであるため、平均値としては1.10 gにまで下がっています。

このサーキットでライダーがスタートからフィニッシュラインまでにかける力は、合計して900 kgを超えます。これはちょうど、MotoGP仕様のブレンボ製モノブロックフロントキャリパーを装備したプロダクションレーサー、「BMW HP4 Race」 5台分の重量をわずかに超えるほどの重さです。

最も難易度の高いブレーキングセクション

7箇所あるザクセンリンクのブレーキポイントのうち、「過酷」と分類されるのは1箇所のみで、その他の3箇所は中程度の難易度、残りの3箇所は容易とされています。ライダー、そしてブレーキの両方にとって最も過酷となるのは、第1ベンドのターンです。このポイントへ進入するバイクの速度は291 km/h。そこから244 mのブレーキングを経て、74 km./hまで速度を落としてカーブを通過します。このとき、ライダーは5.2秒間のブレーキングで1.5 gの減速度に晒されます。HTC 64Tブレンボブレーキフルードの液圧は10.6 barにまで上昇し、これは一般的なビールサーバーの理想的な圧力の5倍を超える値です。

レバーにかかる負荷(6.1 kg)はフィニッシュライン直前のターン13の場合と同じです。またブレーキフルードの液圧も同じになりますが、ターン13ではブレーキング時間が3秒、その間にMotoGPバイクが進む距離は129 mとなります。また、バイクがベンドポイントに差し掛かる際の速度は第1ベンドより遅く(219 km/h)、逆にブレーキング終了時の速度は第1ベンドより速い(95 km/h)です。ターン2および3の場合、ブレーキング中にバイクが走行する距離はともに60 m未満(ターン2:56 m、ターン3:58 m)であり、どちらの場合もレバーにかかる負荷は3 kg未満です。

ブレンボの実績

ドイツGPと東ドイツGPを合わせると、ブレンボ製ブレーキを装備したバイクのトップカテゴリーでの勝利数は30レースにも上ります。ザクセンリンクのみでいえば、500またはMotoGPクラスにおいてブレンボのコンポーネントを装備せずに優勝したバイクは1台たりともありません。ホンダは過去7戦に勝利し、最初の2回のライダーはダニ・ペドロサ、残りはマルク・マルケスでした。

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