マルコ・ベッツェッキ(アプリリア・レーシング)が金曜のプラクティスで圧巻の走りを披露。1分26秒492という驚異的なタイムでサーキットレコードを更新し、初日の最速ライダーとして頭ひとつ抜け出した。さらに、ラウル・フェルナンデス(トラックハウス・MotoGPチーム)も最終盤でタイムを上げ、アプリリアが1-2体制を築く完璧な金曜日となった。一方、前戦インドネシアGPの勝者フェルミン・アルデゲル(BK8グレシーニ・レーシングMotoGP)は得意と語っていたフィリップアイランドでQ2進出を逃す波乱の展開となった。

金曜プラクティスは冷涼で風の強いコンディションの中、フランチェスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)がメインバイクに違和感を示し、序盤から2台目のマシンにスイッチ。変更が功を奏し、開始15分で5番手に浮上した。序盤はベッツェッキがリードを奪い、その背後にはペドロ・アコスタ(レッドブルKTMファクトリー・レーシング)がつけていたが、37分を残したところでファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング)が1分27秒483を記録しトップに浮上。

ターン4で転倒したアコスタは10分ほどで復帰。セッション終盤、ホームヒーローのジャック・ミラー(プリマ・プラマック・ヤマハMotoGP)が一気に2番手に浮上し、さらにはトップタイムもマークしたが、その後ベッツェッキが1分27秒099、さらに驚異の1分26秒580を叩き出し、サーキットレコードを0.666秒も更新した。

ファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハ)は2番手、アレックス・リンスが3番手に浮上するも、フェルナンデスが再度タイムを更新して4番手に食い込み、最終的には2番手にジャンプアップしてアプリリア勢が1-2体制を確定させた。バニャイアは一時トップ10圏外に沈んでいたが、1分27秒132を記録して8番手へ浮上。最後にポル・エスパルガロ(レッドブルKTMテック3)がタイムを上げ、トップ10入りを果たした。

ベッツェッキは終盤再びタイムを更新。1分26秒492と、自身のラップレコードをさらに塗り替え、2位フェルナンデスに0.3秒以上の差をつけて圧巻のトップ通過を果たした。3位はVR46のファビオ・ディ・ジャンアントニオが獲得している。

オーストラリアGP プラクティス結果

順位ゼッケンライダー名メーカータイム最高速度
1位72マルコ・ベッツェッキAPRILIA1’26.492348.4km/h
2位25ラウル・フェルナンデスAPRILIA1’26.783347.3km/h
3位49ファビオ・ディ・ジャンアントニオDUCATI1’26.912346.1km/h
4位20ファビオ・クアルタラロYAMAHA1’26.926341.8km/h
5位73アレックス・マルケスDUCATI1’26.945341.8km/h
6位42アレックス・リンスYAMAHA1’27.006346.1km/h
7位10ルカ・マリーニHONDA1’27.051350.6km/h
8位44ポル・エスパルガロKTM1’27.054351.8km/h
9位63フランチェスコ・バニャイアDUCATI1’27.132345km/h
10位37ペドロ・アコスタKTM1’27.145352.9km/h
11位54フェルミン・アルデゲルDUCATI1’27.150340.7km/h
12位33ブラッド・ビンダーKTM1’27.269349.5km/h
13位43ジャック・ミラーYAMAHA1’27.309349.5km/h
14位36ジョアン・ミルHONDA1’27.319347.3km/h
15位5ヨハン・ザルコHONDA1’27.376347.3km/h
16位88ミゲル・オリヴェイラYAMAHA1’27.696348.4km/h
17位21フランコ・モルビデッリDUCATI1’27.906346.1km/h
18位79小椋 藍APRILIA1’27.920345km/h
19位32ロレンソ・サヴァドーリAPRILIA1’27.978349.5km/h
20位23エネア・バスティアニーニKTM1’28.115350.6km/h
21位51ミケーレ・ピッロDUCATI1’29.040340.7km/h
22位35ソムキャット・チャントラHONDA1’29.112337.5km/h