ホームで迎えるラストレース、オリヴェイラがMotoGPファンに別れ ポルティマオで感情揺れる最終戦へ MotoGP2025

今週末に開催されるポルトガルGPは、MotoGP世界選手権第21戦。ポルティマオのオートドローモ・インテルナシオナル・ド・アルガルヴェは、プリマ・プラマック・ヤマハMotoGPにとって特別な週末となる。ミゲル・オリヴェイラがホームグランプリでMotoGP最後のレースに臨み、2026年からのワールドスーパーバイク移籍前にファンへ別れを告げる。

オリヴェイラにとってこの一戦は15年にわたるGPキャリアの一区切りとなる。125ccからMoto3、Moto2、そしてMotoGPに至る長い旅路の集大成であり、ポルトガル人ライダーとして母国で走るラストチャンスとなる。彼にとってポルティマオは、勝利の栄光と苦い記憶の両方が刻まれた因縁のサーキットだ。

2020年、COVID-19の影響で異例の最終戦となったポルティマオで、オリヴェイラは週末を完全に支配し、キャリア2勝目を挙げた。だが、2023年の開幕戦では絶好調の流れを断ち切るアクシデントに見舞われる。決勝2周目、マルク・マルケスの接触により転倒・負傷。続くアルゼンチン戦を欠場し、ヘレスでも再び巻き込まれてシーズンは大きく狂わされた。

2024年も苦戦を強いられたが、直近のレースではヤマハYZR-M1で前向きな兆しを見せており、ホームGPで有終の美を飾れる可能性も残されている。

チームメイトのジャック・ミラーも好成績を狙っている。彼にとってポルティマオは相性の良いサーキットで、2020年にはオリヴェイラに次ぐ2位、2021年は3位、そして昨年は5位を獲得している。

現時点でのランキングは、ミラーが総合18位(68ポイント)、オリヴェイラが20位(34ポイント)。プリマ・プラマック・ヤマハはチームランキング11位(107ポイント)につけている。

ジノ・ボルソイ(チームディレクター)

「今週末はミゲルにとって特別なレースになります。母国ファンの前でMotoGPラストレースになるわけですから、彼自身にとっても、チームにとっても忘れられない週末になるはずです。彼はこのサーキットで勝ったこともあるし、最近のパフォーマンスを見ても、良い結果を出せると信じています。ジャックに関しても、ここでは常に強さを見せてきました。バイクの仕上がりも良くなってきているので、彼の力を発揮してくれると思っています。気持ちの準備も万全ですし、シーズンを良い形で締めくくり、新たなプロジェクトへとつなげたいです。」

ジャック・ミラー

「ポルトガルでレースをするのが楽しみです。マレーシアでは厳しい週末でしたが、ポルティマオは自分に合っているサーキットだと感じていますし、これまで何度も良いレースをしてきました。M1でもきっと楽しく走れると思いますし、バイクにとっても相性の良いコースだと思います。ここで前との差を縮めて、良い形で終えたいです。」

ミゲル・オリヴェイラ

「今はとても感情的な気持ちになっています。ポルティマオは特別な場所ですし、ホームでのレースはいつも特別なモチベーションになります。今回がMotoGPで母国ファンの前を走る最後になるかもしれないと思うと、さらに意味のある週末になりますね。いい走りをして、自分自身も、チームも、そしてファンの皆さんにも楽しんでもらえるレースにしたいと思っています。早く走り出したいです。」